気がつくと…私の足取りは軽くなっていた。

隣にいる慶はあくびをしながら、私の手を握る…



慶がいれば大丈夫。

きっとなんだって、乗り越えられる…


色んな意味で、慶は最強だから。



慶の手を握り返して、そう思った…










ーーー
ーー



「sAra.~~~~!」


「アンコールーーー!」




数時間後。

ステージの幕を開けて、早くもアンコール。


私は舞台袖で、衣装からツアー用のラフなTシャツに着替え、汗で崩れたメイクを直していた。



やっときたよ、アンコール…

でも、いいや。


さっさと終わりして、嫌なことは忘れよう…