「蒼菜。今帰りかい?」
聞き慣れた声に振り返ることもなく、歩みを進めながら返す。


「そういう宗二だって…また告白でしょ?こんなんのどこがいいんだか」


蒼菜の隣りに並んだ宗二はその返事に苦笑する。


「本当だよね、僕のどこに惹かれるのか。蒼菜も告白されてたでしょう?相手は3組の三橋君」


宗二を見る蒼菜の顔には、なんでそこまで知ってるの?と書いてある。


「僕のいた教室から、歩いて行く三橋君が見えたから。蒼菜、断ったでしょ?」

何にも言ってないのに、疑問を答えた宗二が面白くないようで蒼菜はツンとした。

「当たり前じゃない。好きな人いるんだから…宗二も断ったんでしょ?」



うん、と頷く。