「奏~隆君来てるわよ」 お母さんが、幼馴染みの隆を私の部屋に通した。 その時私はベッドで雑誌を眺めていた。 入ってきても隆は麦茶に口をつけるだけで、何しに来たのかわからない。 「隆。アンタなにしに来たのよ、麦茶なら自分家で飲みなさいよ」 雑誌を捲る手を止めずに俯いた隆に言った。 「奏…俺、一目惚れした」 「……は?」