この声はすぐわかる。
・・・加奈だ。
忘れる・・・。
忘れるっ!

「おはよー。」
よしっ!
いつも通りだ。
「あれ?優那寝不足?」
えぇ・・・。
「あぁ・・・。ちょっと勉強?」
嘘。本当は朝倉君のことで眠れなかった。
でもそんなこと嘘でも加奈には言えない。
「なんで語尾に“?”ついてるのー」
「ハハハッ。そうだね。」
「・・・嘘。」
え?
「嘘でしょ?勉強なんて。」
え。なんで!?
ぁ・・・そっか。毎日見てるもんねぇ・・・
「うん・・・嘘。」
「やっぱりーーー!」
ばれてないっ!
と。安心したら。
「で?なんで寝れなかったの??」
と聞かれた・・・。
んーとね。朝倉君が・・・
なんて言えるわけないじゃん!
「まぁ。言いたくないならいいけど・・・」
「言いたくないわけじゃないけね。」
「そっか・・・」
よし!
とりあえず。
朝倉君から離れないと!
「ねぇ。」
「あっ!そうだ!」
話を変えようとしたら、加奈が口をはさんだ。
「ん?なに?」
「ねね。朝倉・・・颯太君の事。どうなった!?」
え・・・
まじですか。