カシェは校門に座り込む。
赤地に水玉模様のワンピースを着込んで、膝を抱えてしゃがんでいる。
誰に引っ張られても、動こうとはしない。精神は幼児期に退行しているらしかった。
校門より学校の方へ無理に押し込もうとすると、酷く暴れて手が付けられなくなる。「こわい」と、叫んだりもした。
移動し続けるミトと、留まるしかないカシェ。
見開くばかりで、何も映していないカシェの瞳が、アラームにコントロールされ、今にも爆発しそうなミトの瞳と重なり合った。
「……っ!」
ミトはカシェの手を取っていた。
そして、跳ねた。
三つの場所以外の、留まれる場所を求めて。
赤地に水玉模様のワンピースを着込んで、膝を抱えてしゃがんでいる。
誰に引っ張られても、動こうとはしない。精神は幼児期に退行しているらしかった。
校門より学校の方へ無理に押し込もうとすると、酷く暴れて手が付けられなくなる。「こわい」と、叫んだりもした。
移動し続けるミトと、留まるしかないカシェ。
見開くばかりで、何も映していないカシェの瞳が、アラームにコントロールされ、今にも爆発しそうなミトの瞳と重なり合った。
「……っ!」
ミトはカシェの手を取っていた。
そして、跳ねた。
三つの場所以外の、留まれる場所を求めて。