走って階段をのぼっていくと、残っている体力に反比例し、耳に届く合唱の音色が大きくなっていった。


やばい、もう最後らへん。


やっとの思いで4階までたどり着いた私は、階段のすぐ近くにある音楽室に吸い込まれるようにして入っていった。




ちょうど、最後の和音だった。


なんか、ちょっと汚いかも。

音楽室のドア付近に突っ立ったまま、そんなことをぼんやり考えていた。


崎田先生が指揮を止めた。

それと同時に、微妙な和音も音を無くした。