「――え?」

「だから。音楽の両立なんて無理なんだよ」



るなが鋭い目つきで私を見つめる。


それは氷のように冷酷で――



「私たちが中途半端にしてたら、どっちも足引っ張っちゃうんだよ」



るなの言葉が、バラのとげのように心に刺さる。


でも。

例えそうだとしても。



「でも私、合唱もがんばりたいから――」

「智那」



私の言葉を遮ったるなは、あきらめたように私を見つめた。


救いようもないものを見つめる目で。




「いい加減、現実見なよ」