「じゃ、せっかくだから、旧合唱団のメンバーでなんか歌ってもらおうか」 崎田先生が私と目を合わせてそう言った。 え、うそ。 そんな無茶ぶり。 「曲は――――ヒカリ?」 「証(あかし)がいいなー」と、私の左上で怜がつぶやく。 そんな小さな意見もむなしく、先生は指揮の準備を始めた。 それを見て、私たちも定位置につく。 一年生が見てる それだけで、先輩の意地っていうのが倍以上に膨らむ。