「なんだこれー!」
私の頭の上から思いっきり大きな叫び声が降り注ぎ、私は思わず前のめりになってしまった。
「やべぇ、ちょーいんじゃん」
「でしょでしょ」
音楽室の中の人だかりを見て目を丸くする怜に、るなが相槌を打つ。
怜の隣には奏太が姿勢良く立っていて、音楽室の中を見て微笑んでいた。
「てか、三年は?」
「ここにいますー」
怜の声に反応して、朱莉が走り寄ってきた。
「朱莉かぁー。男子は?」
「失礼なッ」
朱莉が軽く怜を叩き、音楽室の隅っこを指差した。
そこには、楽しそうに話している見慣れた同級生たちがいた。