「あー、先生もう少しいいっすか」 みんなの笑いを沈めるかのように、奏太が静かにつぶやいた。 先生もこれには少し驚きながら、弱々しく頷いた。 「あんたの名前は?」 教室が、水を打ったように静まる。 私と奏太に視線が集まる。 奏太の、透き通るような真剣な瞳―――― 「智那。 ――――城山、智那」