「なんかさ、いつもとちがくない? 大葉」
沈黙を破ったのは、朱莉だった。
「それ私も思った」
「でしょでしょ。どうしたんだろ」
「え、いつもあんなんじゃね?」
ソファの背もたれにもたれる怜は、私と朱莉の冷たい視線に気がついてない。
「なんかこう――何て言ったらいいんだろ。なんかいつもの奏太と違うんだよね」
心の中にできたモヤモヤを、言葉に表せなくてムシャクシャする。
それは朱莉も一緒らしく、すっきりしない表情で床を眺めている。
そして、私たちの鋭い勘は、数秒後に当たることになる。
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