4月より仲がよくなったとはいえ、あの頃の衝撃は変わらないまま。 『俺ら、初めて会ったと思うけど』 奏太はまだ、その言葉を訂正してくれない。 もしかして、本当に私の思い違い? 私の幻? そう思っても、部屋に飾ってある写真を見ると、また振り出しに戻ってしまう。 奏太は―――― 本当に忘れてしまったんだろうか?――――