「智那もここ座んなよ。このソファ最高なんだから!」



朱莉がポンポンとソファを叩く。



「私はいいや。何年か前は毎日のように座ってたから」

「あー、なんか前言ってたね、そんなこと」

「うそ。あたし初めてきいた。どーいうこと?」



私の話に怜がうなずき、朱莉が食らいついた。



「えっと……もともと私と奏太は幼なじみで、2人でいっぱい遊んでたんだけど――」

「だけど?」



濁した言葉に朱莉が首をかしげる。



「奏太は――――

それを覚えてないらしくて」