「それにしてもさー、奏太の家ってきれいだよねー」
朱莉がふかふかの赤いソファの上であたりを見回す。
「それに広いしな」
「そうそう。軽くあたしの家の大きさ超えてるよ」
怜が赤いクッションをくるくるとまわしながら言う。
「奏太たちが引っ越してくるまでは奏太のおばあちゃん独り暮らしだったんでしょ?」
「まぁ、そんな感じ」
「掃除とか大変じゃん」
朱莉がポフポフとソファを叩き、無言で怜からクッションを奪う。
怜はそれを、お菓子をとられた幼稚園児みたいに視線を注いでいる。
仲がいいんだか、悪いんだか。
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