「顔、あげなよ」 朱莉の優しい声が私を包んだ。 足音が、近づいてきた。 私がゆっくり顔をあげると、もう目の前に朱莉がいた。 その顔には、優しい笑みが広がっている。 「智那」 そう朱莉は私の名前を呼んで、私の手を包み込む。 暖かくて、優しくて、懐かしい。 「おかえり」