奏太は、私の目を見たまま、何も言わない。 何も動かない。 悲しそうな目。 でもどこかに、信念を貫く光が宿る瞳。 ごめんね奏太。 もう私、どうしたらいいかわからないの。 わがままかもしれないけど、許してほしい。 奏太から目をそらしたくなんかなかった。 それでも、自分の身体じゃないような足を動かして、奏太に背を向けた。 二度と、 合唱団に戻りたいなんて思わない――――