去年のコンクールでは、崎田先生の指導もあって、見事県大会で金賞に輝いた。 今年もその人数を確保するために、私達は必死だ。 ――だけど。 「そこ、アルト暗すぎない?」 「え、こんなもんじゃないの?」 「ってかそこ、みんな同じ音なのにバラバラだし」 「テノールのど声になってるよー」 「アルトも地声になってるけどね」 「そういうソプラノも」 自主練といっても、崎田先生という偉大な指導者がこの場にいないのは、いたい。