その瞬間、さっきまで賑やかだった教室が、嘘みたいに静かになった。



「そんなのされたら、俺ら迷惑だろ」

「おい、奏太」



怜が奏太の口から発される言葉を止める。


教室に静寂を訪れさせた当の本人は、いかにも機嫌が悪いかのように口をへの時にさせていた。


教室のみんなは、しんと静まりながら、私たちを見つめていた。


さっきの話の内容からいって、合唱団内のもめ事、とか思われているんだろうな。



ふと、視界の隅にうつった教室の端っこでクラスの女子と話をしていたるなと目があった。

無表情のまま、私を見つめている。


思わず、私は視線をそらした。