怜がなんで知ってるの……?



「奏太からきいたよ。冗談だろ?」



私の心を見透かしたように、怜は言った。


失礼だけど、怜がここまで真剣なのを初めて見た。



「――冗談じゃないよ」

「なんでだよ。あんなに合唱好きだったじゃねぇか」



私が目をそらそうとすると、怜が「そらすな」と釘をうつ。


さっきよりも口調が少しきつくなってる。


それは、怜が、私に負けないくらい合唱が好きって証。



「もう決めたの。合唱やめるって――」

「んな勝手なことすんなよ!」



突然耳に届いた大きな声。

私の声を遮って、怜が叫んだ。