奏太side. 合唱部に入ったとはいえ、活動は合唱団と一緒。 何しろ、合唱部員はごくわずかなんだから。 でも珍しく、俺は音楽室に行きたい気分になった。 なぜかはわからなかったけど、1人で音楽室に行きたいと思った。 放課後、俺は職員室から音楽室の鍵をとって、4階へと続く階段をのぼっていった。 このときの俺は、まだ気がついていなかった。 音楽室への行き道に、あいつが話していたことを――――。