迷惑――……?
頭がなかなか混乱から抜け出せない。
「私たちは、真剣に吹奏楽してるの。邪魔されたくないの!」
部長の唇がわなわなと震えている。
怒りを目で見ているみたいだった。
「だから、部活やめて。ほんとに迷惑だから」
「なんでやめなきゃいけないの?」
私がそう言うと、部長の目の色が変わった。
みるみるうちに、顔が真っ赤になっていく。
「だから言ったじゃない! 私たちは真剣なの!」
「私だって真剣だよ。それは誰にも負けない」
「何言ってるの!? 合唱なんかしてる人が、私たちよりも真剣ですって!? ふざけないでよ!」
唾が飛ぶかと思うくらいの勢いで捲し立てられた。
合唱「なんか」?
ふざけないで?
それはこっちのセリフでしょ。
その瞬間、私の中の何かが切れた。