「とにかく、智那と怜以外は練習終了ね。2人は居残り」


「はっ、なんで俺まで!?」
「なんで怜と一緒に居残りなのー?」


「当たり前でしょー。ケンカした罰」

「マジかよー」

 
みんながぞろぞろと帰る準備をしているなか、怜が嘆いた。

私はというと、遅刻した身だから、何もいえない。


そうしていると、崎田先生が何かを思い出したように「あっ」とつぶやいた。



「そうだ、今日は私も用事あるから、2人で自主練ね」

「えー」


私と怜の口からブーイングがこぼれた。


「じゃ、あとはよろしくー」


といって、崎田先生は「戸締り忘れずにね」と言いながら、帰る生徒と一緒に音楽室を出て行った。