見てみぬ振りをして


いつも、誰かが来るのを
帰ってきてくれるのを

待ってしまう。




捨てられた



なんて、思いたくなくて。




「だから。」




私は子犬を撫でて言う。



「私のお家においで。」




もし、まだこの子の傷が浅いなら


まだ、こうやってしっぽを振って喜べるなら


誰かを、信じられるなら



この子を独りにしちゃいけない。




この子を










私と同じにしちゃいけない。