「ほーら、俺を置いて先に走っていくなよ。」 翔太は犬を抱き寄せる。 「こいつ、ここに捨てられてたんだ。」 「え?捨てられてた?」 こんなにまだ小さいのに。 「たまたま俺がここ通ったらさ鳴き声聞こえて。それからはこうしてよく遊びにきてんだ。」 翔太はバックからドッグフードを出して 子犬に与えた。 「えさもやってんだけどさ。やっぱり俺もこれない日あるから。」