「きゃー!翔太先輩ー!」
「かっこいー!!!」
そんな声が廊下を飛び交う。
そんな女の子に笑顔を向けながら
平然と歩く様は
なんとも憎たらしい。
へー、ファンサービスってことですか。
「なになに、どーしたのー。」
美波が私をにやにやしながら見る。
「え、なにが??」
「とうとう魔性の女、月奈も
イケメン王子様、沖野先輩が
気になっちゃいますー?」
「はぁぁっ??!」
美波ってば、なんてことを...!
「あれー、そんなに取り乱すなんて、らしくないじゃない?」
美波はにやにやを止めない。
「べ、べつに取り乱してなんか...!」
だいたい、あんなやつ、
みんなが思ってるような王子様じゃないんだから。
ちょっと...いや、かなり俺様だし。