「尚希ぃ~!また今度来るねっ!」



「あぁ」




女はそう言って俺の頬にキスをしてタクシーに乗った。




深夜でもまだ回った酒でバカみたいに騒いでいるたくさんの大人たち。




さすが歌舞伎町だ。




「よぉ〜おつかれさん。尚希」




「お疲れ様です。オーナー」




声をかけられ振り向くとそこにはBLACK PRINCEのオーナーがいた。




オーナーは俺より年上で歳は不明だが見た目で見ると26歳くらいでまだ若い。




「そう言えば今日は新しいお客さんが来たみたいだねぇ〜あいつらがやたら騒いでたから気になって見に行ったけど凄い美人さんだったねぇ〜」




オーナーはそう言って煙草に火を付ける。



オーナーが言っている女ってもしかして…




「捺海のことですか?」




「へぇ〜捺海ちゃんって言うんだぁ~あの子、帰るとき凄い酔ってたぞぉ〜?」