「どうしたもこうしたもないわ…この鏡壊れてるわ!!イモ田君、鏡を持ってないかしら?顔チェックがまだすんでないのよ。」

「え、鏡?ごめん、持ってないや。あ、隣の瀬木さんなら持ってるんじゃないかな。てか、俺の名前イモ田じゃないから!長谷川!」

そんなイモ田の主張をよそに、険しい顔をした華子は隣の席の瀬木さんの方を振り向いた。
一瞬、驚いていた顔をしていたが話の流れを聞いていたため瀬木さんは持っていた鏡をすかさず差し出した。

「ありがとう、イモ木さん。あなたの鏡はこれから値がつくわよ。なんせ私が使うんだから。」

人に物を借りながらその態度はないだろうと思えるようなセリフに周りの席の人達もたじたじである。