「お、おいコラッ!中前!ちょっと待て!」

華子が颯爽と歩いている、その後ろの方からけたたましい怒鳴り声が聞こえた。

『イモ塚先生。何か用ですか?』

「何かじゃない!それとイモ塚ではなく飯塚だ!全く…いつもいつも言ってるだろう。それとそのハイヒール!それで登校するなと言っておいたはずだ。何度も言うが校則にはローファーかスニーカーしか許可されておらん。」

先生は呆れた様子で注意してきた。

『でも、先生。私にはハイヒールが似合うんです。私のこの長い足を最も魅力的に見せるのはこの靴が一番なんです。別に他の靴でも私なら似合うけれど、やっぱり最高の姿を見せなければ、もったいないと思いませんか?』




「…」




先生も絶句である。


何も言えない先生をよそに、捨てゼリフをはき、華子は何事もなかったかのように教室に向かっていった。