「いってぇー…」
「いったぃー…」


ぶつかった衝撃で顔からショールが取れてしまった。

「危ないわよ!でも、あなた、私とぶつかれて光栄ね」

急いでショールを巻き直す華子。

「それはこっちのセリフ…てか、何で顔にそんなの巻いてるわけ?」

「人には事情というものがあるの。察しなさい」

(言えるわけないじゃない!なんなのこの…イモ?)

体勢を立て直し、話しかけてくる相手に向かい偉そうに諭す華子。

「顔にそんなに巻いてるって事は…寒いのか?だから、俺の胸に飛び込んできたのか?あぁ…なるほどね。そういう事なら、暖めてやるよ…」

「…?」

華子は突然引き寄せられた。