「ただいまー。」

私は自分の部屋へと早足で行った。


その途中 お兄ちゃんとすれ違ったけど

何も話さずに歩いた。


お兄ちゃんのことが私は大キライ。

本当に本当にキライ。

私の、大好きなバスケをお兄ちゃんがしているから。

私がやりたくてもやれないバスケをしている人がそばに

居ることが とてもイヤ。

いじめられたのは私が休んでいた時 先輩に

「休むならやめろ」と言われてしまったのだ。

そこから色々 あったんだけどね...。


1人で泣いてると お兄ちゃんのバスケのユニフォームを

見つけてしまった。

お兄ちゃんなら分かってくれるかも知れない。

そう思った私は 相談した。

真剣に聞いてくれたんだけど その後の言葉で

私の心はバラバラに砕けた。

「それでも頑張れよ」

みんなから聞いたら 良いかもしれない、でも

当時の私は 頑張れという言葉を聞くのが

つらかった。

お兄ちゃんに聞こえる声で「サイテー。」と言うと

「オレは、お前がイヤな言葉をわざと言ったんだ。」と言った。

本当にひどいと思った私は、お兄ちゃんの前で泣いた。

その時のお兄ちゃんの顔は泣いていて見えなかったけど...。


     
 ―笑っていた..気がした....。―


「はぁ..。」

私は 1人ベッドの上でため息をついた。

今までのことを思うと...ね...。

そんな最悪なお兄ちゃんは高校ですっごくモテる。

(満田くんは、お兄ちゃんみたいな人じゃないよね)

そう思ったけど、あんなサイテーな人は

この世にそんないない。

だから、大丈夫かなとは思ったんだけどね。

ってか だけどって まだ会ってもないわ...。

そんなことを考えながら お風呂に入って食事をした。


お兄ちゃんとは、一言も話さないまま。