一つの部屋にいったい何人いるんだろうって思えるぐらいの人数が集まったから周りは知らない男の子達でいっぱい。


「おつかれした〜。」


卓人さんの一言でカラオケではなく宴会が始まった。

「ねぇ真保ちゃん。ちょっと外行かない?」


「うん。いいよ。でもどうしたの?具合でも悪い?」

首を左右にふった愁くんは「違うんだ。話したいなぁと思って…。」
軽く頬を人差し指でかきながら立ち上がり、左手をアタシに差し出した。



愁くんに手を引かれてやってきたのはキレイな星空の下。さっきまでアタシが座ってた大きな石に座り、

「おいで。」

繋いだままのアタシの手を少し強めに引いて、アタシを膝の上に乗せた。


愁くんがアタシの腰に両手をまわし、小柄のアタシは愁くんに抱き締められる状態になった。


「星…見てみ。」


見上げた空には満点の星。

「うわぁ!すごい。超キレイ。ヤバイ。」


「あはは、真保ちゃん感動しすぎ!」


「ごめん。何かここ最近いいことなくてさぁ、久しぶりに星見たら妙にテンション上がった。」


「そっかぁ、真保ちゃんってかわいいね。ってか真保ちゃんて彼氏いんの?」

「いないよ。この間別れた。」


「そっか。よかった。」

「えっ?」

「今、それどういう意味?って思わなかった??」

「…」

「そういう意味なんだけど!」
「…」

「だから!………真保ちゃんの事、好きってこと!さっき一目惚れした。マジでヤベェと思ったし。………………俺と付き合ってくれない?」


「あの………アタシなんかでいいの?」


「うん。真保ちゃんがいいの。」

「うん。」
満面の笑みで答えると、

「今から真保ちゃんは俺のな。」

アタシを一度強く抱きしめてやさしいキスをした。


見上げた空が愁くんみたいに優しい。あたしはこの星空に誓おう。ずっと愁くんと一緒だって…。