「由香」


全ての補習が終わり一人で学校から駅へと向かっていると、後ろから由利が走ってきた。


「由利、今日はごめんね」


由利のことだから私のことを心配してきてくれたのだろうから、私は先に謝った。


「そんなことじゃないよ。

由香、本当にあっちの学校に行くの」


「・・・」


「やっぱり、気まずいから?

それだったら私が全てフォローするし、高校に行けばそんなこと分からないよ」


本当にいい子だと思う。



中学三年間で由利にはたくさん助けられてきたし、その恩は容易に返せるものでもないし、今すぐに返せるものなんかでは決してない。