(そうだ、ヒッチハイクだ)


そのトラックを見た瞬間に、私の頭の中に移動手段が一つ浮かび上がり、もうこれしかないと思った。

今、駐車場に入ったトラックの運転手は見た感じは強面でなく、私の持っているトラックの運転手のイメージとはかけ離れている。


(まずは、あの人に声を掛けてみるか)


そう思い立ち上がったところで、男の人はトラックの後ろの扉を開け入ってしまった。



とりあえずその扉の前まで行き、男の人が中から出てくるのを待つことにした。



もう一度、空を見る。



空の青と、雲の白がくっきりと分かれていて、空の青の部分に家族の顔が思い浮かぶ。


(お母さんは心配するかな)


そう思ったはずなのに、何故か私の頭には姉の顔が出てきた。