もし、何回謝れば許してくれるというものがあるのならば、私は例え回数が何万回となろうとも謝り続けるだろう。

だけど、彼に対していくら謝っても許されるものではないし、それくらいのことを私は・・・


「謝るんじゃねえよ。

勘違いすんなよ。

別にお前のためだとか、そんなんじゃねえ」


「・・・」


「・・・」


その言葉を聞いても私はまだ軽い嗚咽のようなものが続いていて、それを落ち着かせるために沈黙を作っているようだった。

その沈黙は不思議と私を押しつぶすようなものではなく、ただ気持ちを落ち着かせていった。


「ようやく、少し落ち着いたな・・・

お前はあのとき、覚悟を決めて心にぐっとくるようなものを探しに行ったんだろ。

それが、お前のやりたいことだったんだろ。

俺はそんなお前を見て、俺のやりたいことをやっただけだ。

覚悟を決めて、俺は俺のやりたいことをやっただけだ」