助手席のドアを勢いよく開け、駐車場に停まっているトラックに目を向ける。

次はあれに乗って、私はどこかへと行くのだ。


「本気で信念を貫くならはみ出したっていい。

人ははみ出しながら進化してきたんだから」


その言葉に敢えて反応はせずに笑顔のまま振り返った。

入瀬もやはり笑顔で、そこにはそれ以上の言葉など必要なかった。



大きく深呼吸をし、思い切り背伸びをする。

十二月の冷たい空気が肌を通り抜けていくが、それすらも今は心地よく感じる。

ここからが本当の私の旅の始まりだ。


「じゃあな」


「おう、気をつけて行ってこい」


「行ってきます」


そう言って、私は車から離れていった・・・