「それから、三つ約束してほしい」


『約束』という言葉に反応し、入瀬のほうを振り返ると真剣な表情でこちらを見ていた。

それに釣られてか、私も真剣な表情で見つめた。


「一つ目は、ぐっと胸にくるものを見つけたらすぐに親に連絡するなりして、すぐに家に帰ること。

二つ目は、この旅で自分の身に危険なことがあったり、本当にヤバくなったりしたら諦めること」


約束を二つまで一気に言うと、小さくため息をついて、こちらに向かって理解したかどうか確認を取ってきた。

立場上、やっぱり女子中学生がこんなことをやるのを引き止めなければいけないのだろうが、この約束が彼なりの優しさと精一杯の引き止めなのだろう。

それらを理解したうえで、私は小さく頷いた。