卑怯だ。



自分の答えではなく、入瀬の答えを待っている私は卑怯だ。



この先、この旅が上手くいかなくなったら、自分の責任ではなく他人の責任にするために答えを待っている。

こんなことをしているようでは、このまま続けていても私は何も変われない。


「分かった」


拳を握りしめ、自分の望みでもある返事をした。

そう、これは答えではなく私の望みなのだ。


「急いで仕事を終わらせて、一時間後にまた来る」


そう言って、トラックは脇道を直進して小さくなっていった。