「悪いこと聞いちまったかな」
しばらく沈黙が続き、下を向き続けている私を見て気を使ってくれたのだろう言葉だった。
この気持ちに私はしばらく整理をつけられずにいたが、ようやく決心した。
「いや、別にいいよ」
前を向き、今度は笑顔で入瀬を見た。
それを見てか少しだけ入瀬は表情を和らげ、ふっと息を吐き信号が変わっても運転を続けた。
「お姉ちゃんはどうかな・・・
上手いか分からないけど、私ほど好きではないことは確かだな。
歌っているところ聞いたことないもん、だから好きではないと思う」
「つうことは、お前は歌うのは好きなんだな」
「好きだよ。
でも、私が歌うことはお母さんがいい顔をしないから、私はずっと人前では歌うことを止めたんだ。
いつの間にか、歌うことは私にとって誰にも見せることのない自己主張だった。
でも、自己主張なのに人に見せないのなんて意味がないって今思ったよ」
しばらく沈黙が続き、下を向き続けている私を見て気を使ってくれたのだろう言葉だった。
この気持ちに私はしばらく整理をつけられずにいたが、ようやく決心した。
「いや、別にいいよ」
前を向き、今度は笑顔で入瀬を見た。
それを見てか少しだけ入瀬は表情を和らげ、ふっと息を吐き信号が変わっても運転を続けた。
「お姉ちゃんはどうかな・・・
上手いか分からないけど、私ほど好きではないことは確かだな。
歌っているところ聞いたことないもん、だから好きではないと思う」
「つうことは、お前は歌うのは好きなんだな」
「好きだよ。
でも、私が歌うことはお母さんがいい顔をしないから、私はずっと人前では歌うことを止めたんだ。
いつの間にか、歌うことは私にとって誰にも見せることのない自己主張だった。
でも、自己主張なのに人に見せないのなんて意味がないって今思ったよ」