だけど、この食事は受け取れない。


「あの・・・」


「いいから食えよ。

食わないとトラックから降りてもらうからな」


初めて会った人に食事を貰えるとは思わなかった。

そして、初めて会った人にここまで理不尽なことを言われるとは思わなかった。

だけど、この理不尽は私のことを思ってのことだと解釈し、嬉しい気持ちでパンの袋を開けた。


「それで良かったかな。

どれを選んでいいか分からなかったから勝手に俺の好みで選んだんだけど、よかったらこっちのも見て好きなやつ選んでいいから」


袋には四つのパンが入っていたが、私はパンよりも男の人に視線を写した。

男の人は不安そうな目でこちらを見ていて、これがこの人の優しさなんだと分かり、自然と笑顔になるのが分かった。


「大丈夫です。

ありがとうございます」


クリームパンに口をつけ、やはり私はこの人に話をしてみようと思った。