マンションの管理人さんが、園長先生の知り合いでちょっと安くしてくれてるの。

だからね、羨ましかったの。

修太くんの家族。

あたしには、兄弟さえいないから。

家族の暖かさとか少しも知らないんだ。

ずっと1人だったから。---」

あたしはすべてを修太くんに話した。

このことは誰にも言ってなかった。

親友の奈由にさえも、あたしは言えなかった。

みんなには”両親は海外で暮らしている”と言ってある。

だって、本当のことなんて言えないでしょ。

”親に捨てられて施設で育った”なんて。

絶対に言えない...。

ギュッ

「えっ?しゅ修太くん?!」

修太くんに抱きしめられた。