でもそれからしばらくして、その男は逃げた。

そのとき、母親に言われたの。

『いつも男に逃げられるのは、あんたのせいだ』って。

母親は、邪魔になるあたしの存在を消したくて仕方なかったんだと思う。

『あんたなんか産まなきゃよかった。』

『あんたのせいで私の人生台無しよ!』

『あんたなんて生きてる意味ないのよ。』

母親はそう言って、あたしを殺そうとした。

あたしはその母親に恐怖を感じて、逃げた。

逃げた先は、ひまわり園だった。

その日から、あたしはもう一度ひまわり園で暮らした。

高校に入るときに、ひまわり園を出たの。

だから今は、あのマンションに1人暮らし。