その日の昼休み。

「橘!」

担任に呼ばれ、教材を運ぶのを手伝わされた。

いや、正しくは、教材を運ばされた。

「もうー最悪。」

重い教材を、何度も往復して運んでいた。

「締め切りまで時間ないのにー。」

そうだ。

あたしは、小説を書かなくちゃいけないんだ。

あたしを気遣って、奈由も昼休みは1人にしてくれてるのに。

好きなだけ小説を書けるようにって。

それなのにー!

こんなことしてる場合じゃないのー!!

「もうー!!」

そんな時。