「いいとこだな。」
帰り道、修太くんが言った。
「うん。園長先生も夏子さんも優しいし。
みんなもいい子達だし。あたしの大好きな家。」
「そっか。」
修太くんは笑っていた。
久しぶりに帰れてよかった。
園長先生も夏子さんも、何にも変わってない。
相変わらず、優しい人たち。
みんなも素直でいい子。
夕飛も生意気なのは変わらないけど、大人っぽくなってた。
ちゃんと”お兄ちゃん”ってカンジしてた。
なんだかんだで、しっかりしてるしね。
あたしは幸せいっぱいだった。
久しぶりに家に帰れたから。
彼は何を感じたかな?
彼の決意をあたしは知らなかった。