自分の発言にしまったという顔をして照れている先生。
先生の発言に驚きながらも照れている私。
どうしよう、二人とも顔真っ赤なんだけど……。
それに、無駄にドキドキしているから心臓がもたない……。
う――ん、とりあえずこの緊迫した空気をどうにかしなきゃだよね。
「えっと、せん……」
「すまん、麻椿。忘れてくれ。」
「え?」
「いや、ほんと今のは…その、忘れてくれていい。」
まだまだ顔の赤みがとれない先生と私の頬に、冷たい風があたる。
その瞬間、先生のカーディガンからいつも使っている洗剤の良い香りがした。
「………ねぇ、先生。私もね、好きだよ。」
「へ?」