心臓が思いっきり跳ね上がった気がする。
鼓動も呼吸も、一瞬にして速くなっていく。
「えっ二人ともそこにいるの!?」
「あぁ、最初っから俺達の話し聞いてたよな?」
「「!!!!!」」
やっぱりお父さんにはバレちゃってるのか…。
どんだけ頑張っても勝てないなぁ。
逆に、どんな手を使ったらお父さんにバレないんだろ…。
「永愛、今日もお母さんの手伝い頼むな。」
「…うん、解ってる。」
「瞬輝、皆の事頼んだぞ。」
「うん、大丈夫だよ。」
私達の返事を聞くと、お父さんが私達に優しく微笑んだ。
「……行ってきます、幸穂。」
そして、もう一人。
新しく私達の家族となった幸穂(さちほ)に、お父さんは優しく微笑んだ。