大切な人のもとに戻ってくる…か。






お母さんは毎日そんな事を思いながら私達に『おかえり』って言ってくれてたんだね。






私の手を握るお母さんの手の上に、更に自分の手を重ねる。






私よりほんの少し大きい手。





でも、私より白くて細くて…決して大きくはない手。





お母さんは本当にすごいね。





こんなに小さな手で、私達家族の全てを包みこんでくれてるなんて。






「ねぇ、お母さん。」







「んー?なに?」







「あの…えっと…おかえり、なさい。」







「っっ永愛……。」