いつもは階段から聞いていたドアが閉まる音を、今日は玄関から間近で聞いた。
階段では何とも思わないのに、玄関で聞いてみるとなんだか少し寂しくなる。
お母さんは毎朝こんな思いだったのかな?
「永愛、おはよう。」
「おはよう、お母さん。」
前はベッドの上から見ていたお母さんのこの笑顔。
朝が苦手な私でも、この笑顔だけは大好きなんだ。
「瞬輝起こしてきてくれる?」
「うんっ。」
いつか私に子供ができたとき、私もお母さんと同じ事をしてあげれるかな。
毎朝カーテンを開けに来てくれた、優しいお母さんのように…。