亜由美は部屋の入口でペコッと頭を下げた。


「亜由美、あいつは──。」

「会長は素敵な女性でしょう?」


俺の話しを遮り、首を傾げ、にっこり笑った。



「はぁ……ったく、次はねぇぞ。」


ため息をつき、女を睨んで亜由美と部屋を出た。



ありえねー、女子高でも安心できないな…。


横から服を引っ張られ、亜由美を見るとふわりと柔らかく笑ってる。


「帰りましょ?」


今までの苛立ちは吹っ飛んだ…。


赤くなってるだろう顔を見られないように反対側を向き、亜由美の肩を引き寄せた。


まいった……。

持て余す感情を抑えきれなくて、不思議そうに見上げる亜由美の額に唇を落とした。