亜由美があの女と部屋に入って行く。
あの女、何者だ?
岳に『昔の女じゃない?』って言われたが、…違うと思う。
入口にもたれて、ぼんやりと会場を見渡す。
啓志が険しい顔で近づいてくる。
「和哉、思い出した…あいつ『クレイジーラビットの黒兎』だ。」
『クレイジーラビット』?
1年前に姿を消したチーム。
『黒兎』あいつは男だったはず…。
「女だったのか?」
「いや……男?だったと…。」
俺は亜由美が入って行った部屋へ走り、扉を蹴り開けた。
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