昼休み、屋上で携帯を開き、待受の中の亜由美にキスを送り、メールを打つ。


亜由美も昼休みだよな…。

─何してる?

送信。


じっと携帯を見つめる。


携帯を持つ手が汗ばんでくる。


暫くすると携帯が震えた。

ドキドキしてメールを開く。


亜由美からだ!


─お弁当食べてます


携帯を持つ手に力が入る。

大きく息を吐いて、携帯を閉じる。


恋人になれた…顔が喜びで緩む。

でもまだ完全に俺のものではない…。


………。
何をしたらいいんだよ…。

目を閉じ空を仰ぐ。


誰かが近づいてきた。
この気配は…啓志か。


「和哉?寝てんのか?」

目を開けると上から除きこむ啓志。


「…啓志、付き合ったら何する?」


「はぁ?……今までの女とはどうしてたんだよ…。」

俺の隣にドカッと座る。


「付き合った事ねぇよ、っーか…やってた。」


驚きの表情で見る啓志。
「………初カノかよ。…デートすれば?」


「デートか!」
ガバッと急に起き上がった俺。

「うぉっ!…びっくりしたぁ…。」


デートかぁ…ヨシッ!

「あっ…デートって何するんだ?」


啓志は俺の言葉にがっくりと肩を落とした。